技術は魔法じゃないよね

以下は、1か月ほど前に考えてメモしてあったネタです。年が変わる前に公開しときます。


かなり以前から、いろんな分野の技術者が不足していると言われるけど、その一因は「技術というものがあまりにも一般の人に知られていない」ことではないかと思う。

今やすっかり身近になったパソコンや携帯電話にしても、あるのが当たり前になっているけど、これらがどうやって作られ、今どういう風に動いているのか、気にしている人がどれだけいるんだろう?

魔法なんてないと分かっていても、実際のところ魔法で動いているのと同じ感覚なんじゃないだろうか?

その陰には、頭をひねり、汗水たらして物を作っている人たちがいるのに、ほとんどそういうことは忘れ去られているか、あるいは若い世代には知られてすらいないんじゃなかろうか。

なぜそう思うかというと、自分自身がそうなってきている気がするから。
これでも技術者のはしくれのつもりだけど、気がつけば中身を何も考えずにただ与えられた製品を使っている日常になっている……。
昔は、「これはどうやって動いてるんだろう?」と、分からないなりにも興味を持って考えたり調べたりした記憶がある。

でも最近は、進歩が速すぎるせいか、なまじ技術の高度さが想像できる程度の知識を身につけてしまったせいか、物の中身に思いを馳せることを諦めかけている感じがある。

でもこんな人ばかりになってしまったら、物を作れる人がいなくなってしまうんだよなぁ。

資本主義社会では、消費者は神様で、中身なんて考える必要はなくて、ただ好きな物を選んで買ってればいい、ということになっているのかもしれないけど……。

何も考えずに消費することしかできない人ばかりがどんどん増えれば、いずれ資本主義社会のモデル自体が根本からひっくり返るような気がする。消費者の需要を満たせる生産者がいなくなることで。