プチ小説 傑作選、まとめて

無粋かと思いますが、今回新たに各話にタイトルサブタイトルをつけてみました。(2008/10/15訂正: タイトルはあくまで「プチ小説**」です、うっかりしてました。根拠)


プチ小説11「エルフの森の特急便 第1話」 (初出: 2007/05/24(木))

「もしもーしエルフの森の特急便でーす」
「ここはシルフの森よ。あなたニセモノね?」
「いえ、エルフの森からのお届け物なんです」
「あら、遠い所からご苦労さま。で、何かしら?」
「これです」
「手紙ね。なになに……」

『この人ニセモノ』

「ιιιわ、私はホンモノですよ」
「バレちゃったわね」
「ホンモノですってば〜」
「私がニセモノでーす。そもそもここはシルフの森じゃないわ」
「は?」
「シルフの森はここから3日ほど東へ行った所よ。それじゃ頑張ってね〜」
「そ、そうですか。どうも……」

気を取り直して、言われた方へ向かう配達屋さん。
「でも、この手紙を持って向かう先って必ずニセモノなんじゃ……ι」

プチ小説16「エコロジカル・マジック」 (初出: 2007/05/29(火))

砂漠にて―――

「辺り一面を緑で覆う魔法を使うよ」
「緑化推進だね」

ビチャビチャビチャッ

「ペンキを撒き散らす魔法かっ!」

プチ小説20「仲良し」 (初出: 2007/06/02(土))

フレッド「結婚しよう」
マリア「イヤ」
フレッド「はぅ……」

マリア「死んで」
フレッド「イヤ」
マリア「はぅ……」

二人「気が合うね」

プチ小説28「不思議なこともあるもんですぜ」 (初出: 2007/06/10(日))

「こっから先は声を小さくして行くぞ。わかったな」
「ぁぃ」
「『あい』じゃねえ『はい』だろ」
「ぁ、ぁぃ」
「てめぇ俺にケンカ売ってんのか!」
「ぃ、ぃぃぇ……」
「こっから突き落とされてーか?」
「ぃゃ……」
「ならちゃんと返事しろ」
「でもアニキ、声を小さくしたら、どうしてだか急に
しゃべれる言葉が少なくなっちまうんでさぁ」

プチ小説31「エンドレス」 (初出: 2007/06/13(水))

ドスッ

剣士「終わったな」
魔道士「ま、まだだ……! 我は時を操れるのだ! 今の一撃を
受ける前まで時を戻してやるわ!」

…………
…………

ドスッ

剣士「終わったな」
魔道士「ま、まだだ……! 我は時を操れるのだ! 今の一撃を
受ける前まで時を戻してやるわ!」

…………
…………

ドスッ

プチ小説34「三銃士」 (初出: 2007/06/16(土))

「一人は二人のために! 二人は四人のために!」
「ねずみ講ですか」

プチ小説42「頭の切れる、アーンド短気な客」 (初出: 2007/06/25(月))

「この矛はどんな盾でも突き通すよ。そしてこの盾はどんな矛でも防ぐんだ」
「じゃあその矛であんたを突いたらどうなるかね?」
「勘弁してください……」

プチ小説52「ぜいたく皿屋敷」 (初出: 2007/07/05(木))

「お皿がいちまい、お皿がに〜まい……」
「たくさんあるから、好きなだけ数えていってね」

プチ小説58「もじもじ鏡さん」 (初出: 2007/07/11(水))

魔女「鏡さん鏡さん、私の本当の姿を映し出しておくれ」
鏡「えーと、およそまあこんな感じでございます」
魔女「どうして煮え切らない言い方なのかね?
そしてなぜそんな醜い姿なのかね?」
鏡「いえ、その、これが私に映せる限界でして、本当は
この10倍ほど醜うござ」

パリン

プチ小説64「遠くへ行きたい」 (初出: 2007/07/18(水))

旅の商人を乗せた象は、霧の中を進んでいた。

まっすぐに、進んでいた。

黙々と、進んでいた。

ただひたすら、進んでいた。

背に乗せた商人が白い骨となっても、進んでいた。

どこまでも、進んでいた――――

プチ小説69「大いなる時計」 (初出: 2007/07/23(月))

「あの時計は、太」
「古の昔から時を刻」
「んできたの」
「じゃ」

「それでこ」
「の世界では、時」
「間がぶつ切」
「れなのね」

「時を刻むと」
「いうよ」
「り、切り刻ん」
「でるな」

プチ小説75「収縮宇宙」 (初出: 2007/07/29(日))

「……りおてれわ言とはでのるす転逆もれ流の間時、はに際のそ
。すまいてれさ唆示が性能可るじ転に縮収がれこ来将
、がすまいてし張膨は宙宇、在現。すで『来将の宙宇』
、は題おの日本。たしまりいまてっやが間時の『学科ろしもお』
、たまも日本、ーえ……」

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